はじめに
普段アニメはあまり見ませんが、2025年春は「ウマ娘 シンデレラグレイ」のアニメを見たかったので、配信で見ていました。
せっかくの機会なので、同時期に放送されている他のアニメもいくつか見ていました。
この記事は、見たアニメのメモです。
- はじめに
- ざつ旅-That's Journey-
- 日々は過ぎれど飯うまし
- ウマ娘 シンデレラグレイ
- アポカリプスホテル
- mono
- 機動戦士Gundam GQuuuuuuX
- 忍者と殺し屋のふたりぐらし
- おわりに
ざつ旅-That's Journey-
日本各地を「ざつ」に旅する話。
漫画家志望の主人公が、SNSのアンケートで旅先を決め、行き当たりばったりで旅をする。
時には友人や先輩漫画家を誘って旅をすることも。
旅の理由は様々。
旅から漫画へのインスピレーションを得ることが目的の時もあれば、誰かに誘われて行くこともあり、現実逃避のために旅することもあり。
紆余曲折ある旅を通じて、主人公たちは成長したり、仲が深まったりしていく。
旅を目的ではなく手段として扱っている印象がある。
「ざつ」な旅のため、主人公が旅先のことをほとんど知らない上にトラブルが多い。
しかし、主人公はトラブルを嫌がるどころか歓迎しているところが狂人のようで好き。
深みのある良い声でのナレーション*1があるところがとても良い。ナレーションがあると旅番組っぽい雰囲気が出るため。
旅先の知識が壊滅的な主人公に変わって、旅先の建物の情報や豆知識等を教えてくれるが、「やばい」を多用する等、語彙がゆるく独特の味がある。
作中で行われている旅は実際にX(旧Twitter)で作中同様のアンケートを取って行われているようで、それらの投稿を見ていると現実と作中世界の垣根が分からなくなってくる。
主人公の名前のみがそのままアカウント名になっており、何も知らずに見たときは非公式のなりきりアカウントかと思った。
もういっそ旅に出ます!東京からどっちに向かえば良い?
— 鈴ヶ森ちか (@suzugamori2) 2019年2月27日
「非日常」である旅から得られたものを「日常」に活かす、という構図の話が大半であり、かつメインは「非日常」である旅。
なのだが、それはそれとしてカドコミアプリだと「日常系」に分類されている。分類するなら日常系になるのだろうか。
好きな回
第10話「ココロのふるさと」
岩手県花巻市を、主人公とその親友*2の2人で旅する回。
他の回では謎のテンションで会話をしがちな2人だが、親友の元気が無く、どこか様子が変。
雨ニモマケズのナレーションや、宿での夜中の独り言が凄く良くて好き。親友の凄いところを見て自分を見るとさ、不安にもなるよな……。
日々は過ぎれど飯うまし
サークルメンバーと大学生活を楽しむ話。
ダミーサークル「食文化研究部」を立ち上げた少女たちが、活動報告を目的とした様々な活動とごはんを通して交流を深めていく。
毎話ご飯を作って食べてはいるが、グルメ要素よりも食事を通じた交流の方に重きが置かれているように感じた。第4話「この子は星なな」*3は特に。
同じ釜の飯を食う仲。
料理シーンのウクレレBGMが好き。
料理シーンの多くは登場人物の1人*4がウクレレを演奏しているカットが入るため、BGMも世界を構成する要素の一つとして楽しめる。
しかし、あまりにもBGMに集中してしまうと料理解説が耳に入ってこない。どうすればいいんだ。
そもそも料理シーンがちゃんと描写される割に、その間に工程を見ず楽器を弾いている人物がいることに驚く。食事を作るのが好きな人もいればそうでない人もいる。
バラバラな個性や嗜好の人たちが集まって形成された「食文化研究部」という合縁奇縁の繋がりに心が温まる。
エンディングが映像も曲も良い。
疾走感とストーリーがありキャラクターがひたすら楽しそうにしている映像に、ポップながらどこか寂寥感のある「味噌汁とバター」の組み合わせが良い。
「味噌汁とバター」、言葉遊びが巧みに用いられているところも好き。*5
書き下ろし曲ではないので、歌詞が「僕」と「君」の同棲生活らしきものになっているが。*6*7
主人公が好んで見ているグルメ系動画配信者・"モコ太郎"に絶妙な不気味さを感じる。
結構高い声とか、ずんぐりしたフォルムに着ぐるみ故の大きさとか……。
オープニングでのデフォルメの効いた姿はそれなりにかわいいとは思うのだが……。
好きな回
第5話「ドライブ行かない?」
登場人物の1人*8が運転免許を取り、みんなで築地へドライブに行く回。
幼少期と重なる光景を受け、静かに終わるところが好き。余韻が好き。
第8話「エアコン…壊れた…?」
部室のエアコンが「壊れる」回。
最後に明かされた呆れ返るオチと、そのオチを受けて無理やり良い感じに締めようとする際の間が好き。
ウマ娘 シンデレラグレイ
ウマ娘*9「オグリキャップ」のレースを描く物語。
圧倒的な走りでシンデレラストーリーを駆け上がる1人のウマ娘を中心に、レースの世界を描く。
分割2クールの1クール目となる本作では、序章のカサマツ篇、第一章の中央編入篇、第二章の白い稲妻篇で構成される。
シングレ、他のウマ娘作品よりもレースの苛烈さがあるところが好き。オグリがあまりにもマークされているところとか。*10*11*12
「中央を無礼るなよ」の前の部分で、ダービーの話に入って声色が変わったり、「君がそれになれると…?」の威圧感や凄みが増していたりして、ボイスコミック版よりドスが効いていて良い。
11話「カサマツの星」*13でしれっと新聞の見出しにハイセイコーの文字があって驚いた。
当時よりもウマ娘になった馬が増えたことでできるようになったアニメオリジナル要素とかあるんだ。
クラフトユニヴァ*14、気が付けばラインクラフトもネオユニヴァースもウマ娘になっていて面白いな……。
好きな回
第6話 怪物
ゴールドジュニアの回。カサマツ篇最終話。
メインPVで聞いた時も思ったが、キタハラの叫びが良いよな……。
「夢を見たくないですか?」の語りも凄く好き。
アポカリプスホテル
ホテリエロボットたちが地球外生命体をもてなす話。
舞台は、人類がいなくなった地球の、東京・銀座にあるホテル。
ホテリエロボットと従業員ロボットたちが、人類の帰還を待ちつつ、やってきたお客様である地球外生命体をおもてなしする。
途中からタヌキ星人たちもメインキャラクターに加わる。
シリアスな世界観から来る寂しさや切なさと、そこで繰り広げられるシュールギャグコメディという振れ幅の大きさが良い。
かつて稼働していたロボットたちの残骸に思いを馳せることもあれば、異様なまでのシャンプーハットへの拘りを見せるホテリエロボットに困惑することもあり、ロボットジョークに笑うこともあり。
シュールな光景で真面目な話をしていることも多く、感情が迷子になる。8話「おしおきはグー!なかなおりはパー!」*15は特に。
高級ホテルの朝を思わせる優雅でコーラスの入ったBGMが好き。最初は数十年もの間来ないお客様を毎日迎える準備をしているロボットたちの切なさとの対比で使われていたものの、気が付けばシュールギャグの曲として使われていて面白い。
作中の時間経過のスケールが人間基準で見ると非常に大きく、話と話の間で平然と50年が経過したりする。
10話「シーツの白さは心の白さ」*16の、人間とのタイムスケールの違いをネタにしたブラックジョークが酷くて笑った。
好きな回
第11話「穴は掘っても空けるなシフト!」
ホテリエロボットが休暇を命じられる回。
変容した世界を最小限の台詞で歩く、特殊な回。
旅情感溢れる光景と、旅の果てにホテリエロボットが得た感想がとても好き。
1~10話までの積み重ねからなるシリアスさがある一方で、台詞が無くともところどころに挟まれるシュールなギャグシーンはこの作品らしさがある。
2度の深いお辞儀も好き。
mono
いろんな場所やイベントにお出かけする話。
写真部と映画研究部が合併した「シネフォト研究部」の高校生3人を中心に、駄菓子屋に住む漫画家や、時にはその知り合いも一緒に、山梨県甲府市周辺を特殊なカメラで撮影したり、週末に周辺のいろんな場所やイベントに行ったりする。
2話前半までは写真部・シネフォト部として特殊な動画を撮る話が中心だが、以降はイベントに参加したり、様々な場所に車で旅行に行ったりする話が多め。
一方で、動画を撮影する回もあれば、大人たちがメインとなりシネフォト部の3人が出てこない回もあり、自由に様々な話が繰り広げられる。*17
シネフォト部として活動している回が好き。撮影された映像を見ていると心が躍る。
シネフォト部の1人*18が時折やっているナレーションが好き。ベタっとした脱力ボイスがクセになる。
きゅうりや松ぼっくりなど、いろんな物体が\コンニチハ/と喋る表現が時折挟まれるのも印象的。かわいい。
「Wonderers!!!」のセリフパートの「いろんなもの、撮りたくなってきた!」に1話からの変化が感じられて良い。
アニプレックスチャンネルで公開されている「クロクマ先生のもののけ怪奇蒐集」も好き。静かで不気味な曲を背景にした、語り部の心地良い声と落ち着けない小話の内容が良い。
好きな回
#2 メイキング・オブ・空撮!!/クラスメイト訪ねて三千里~モトブログパート12~
シネフォト部が誕生したり、大人たちがツーリングをしたりする回。
資金的な理由でドローンを使えない中、創意工夫の感じられる空撮方法と、初登場人物の能力が織り成す光景が、BGMも相まってとても好き。
機動戦士Gundam GQuuuuuuX
自由に焦がれる少女とガンダム*19、それらを取り巻く世界の話。
スペース・コロニーに住む少女が、運び屋の少女と出会ったり、軍の最新鋭機体・GQuuuuuuX*20を奪ったり、行方不明の赤いガンダムを駆る謎の少年と出会い、共に試合に参加したりして、様々な思惑に巻き込まれていく。
2人の少女や、2機のガンダムを追う公国軍の人間を中心に、異なる考えを持つ様々な人々の視点から物語が描かれる。
主要人物である3人の少年少女の青春模様もさることながら、軍を率いる公国も一枚岩ではなく、様々な立場の人物による多様な思惑が入り乱れ、状況が目まぐるしく変化し続ける。
ガンダムによるドッグファイトはもちろんのこと、そうでない場面にも見せ場に溢れる、毎話がお祭り騒ぎのような作品。
ガンダムはこれまで水星の魔女*21を少し見た程度の知識しかなかったので、いろいろ知らないことが多かった。GQuuuuuuXの世界では「ガンダム」の定義は特に明確には無いのだろうか。他の機体とは異なる特定の特質を持つものをガンダムと呼ぶ、というわけではないのだろうか。
いろんな機体や人物の名前だったり、ア・バオア・クーだったり、ニュータイプの音や「俺を踏み台にした?!」等、「インターネットで見た/聞いたことのあるやつだ!」となる要素がところどころにあって変な面白さがあった。
序盤は前半で話が進み、後半でガンダムを駆りドッグファイト、の流れが続き、ホビーアニメっぽさがあるなあと思った。……のだけれど、このアニメはアニメとしての面白さがメインなのか、プラモデルやゲームやカードゲーム等のグッズの販促がメインなのかが掴めない。両方?
テレビ放送で見た際には、CMでガンダム関係のあれこれが宣伝されていた。
好きな回
第4話 魔女の戦争
赤いガンダムに因縁を持つ人物*22が出てくる回。
クランバトルの止めとなる一撃に愕然とした。
頭部を破壊したら勝ち……頭部……。
第11話 アルファ殺したち
2人の少女が戦ったりする回。
「BEYOND THE TIME 〜メビウスの宇宙を越えて〜」を以前フォロワーからの勧めで聞いたことがあったので、「ガンダムの曲がガンダムのアニメで流れている!」となり、知っている曲で楽しかった。
最後に出てきたものを見て「ガンダムだ!」と思ったが、良く考えたらもうすでにガンダムはたくさん出てきている。何となく知っている姿形のガンダムが出てきて驚いた。
忍者と殺し屋のふたりぐらし
くノ一と殺し屋が奇妙な共同生活をする話。
物を葉っぱに変える忍術を持つ抜け忍と、死体処理が雑な殺し屋が、追手の忍者を返り討ちにしたり、依頼を受けて人を殺したりすることが日常の奇妙な共同生活を送る。
コメディ要素が強いが、人は死ぬし倫理観に欠ける発言はあるし悪趣味な要素もてんこ盛り。
一方で、人を殺すことをギャグとして扱ってはいない。一人の人間が亡くなったことを、回り続ける世界の描写や残された人の描写でシリアスに伝えてくることもある。
人を殺すことで生計を立てることは良くないことであるという当然のことはやんわりと再三注意される。
それはそれとして、女性に手を上げることがよくないことであると言われもするし、乳児にハチミツを与えてはならないことをテロップで警告されたりもする。急に現実味のある注意が来る。何なんだ。
唐突に個性的なキャラをしている追手の忍者が現れては、何の感慨も無く雑に返り討ちにされ殺される不気味さと、返り血ではなく葉っぱが舞い散る演出で殺されたことを表現する絵面の美しさがうすら寒くて良い。
追手の忍者が本編で殺されるたびにエンディングで踊っていた忍者が葉っぱの山に変わっていく演出が悪趣味で好き。
かわいい4匹の犬がいつ殺されてしまうのだろうかと思うと気が気でなかった。
↑人間は死んでも良いみたいな思考?
巨乳化*23、幼児化*24といった一話完結のギャグ回のようなものもあるが、そんな回の様々なやり取りの中にも先の展開に繋がる部分があり、油断できない。
好きな回
第五葉 ロボットと殺し屋のふたりぐらし
忍者が別の殺し屋に攫われ、身代わりにその忍者を模したロボットが送り込まれる回。
「ロボットは葉っぱに変えられるので『物』であり本物ではない」という主張に唖然とした。
人間は葉っぱにできないことを改めて認識するとともに、直前まで生きていた人間の死体は「物」扱いであることに寒気がした。
おわりに
ここ数ヶ月、アニメ化という単語が頭の中に残り続けていたため、本屋で陳列された本の帯に書かれている「アニメ化決定!」「〇月放送開始!」「アニメ放送中!」等の文字が目に留まるようになりました。
新作アニメの情報って本屋からでも得られるんですね。
*1:情熱大陸や任天堂のCM等でナレーションをしている窪田等氏のもの
*2:蓮沼暦
*3:星ななが初登場する回。一緒に勉強したり、スブラキを作って食べたりして、"河合まこ"と"星なな"が仲良くなる回。
*4:比嘉つつじ
*5:「幸せに慣れたら 幸せになれたらって願うんだろう」の部分、同音異義語なので音で聞いたときは単に同じ言葉を2回繰り返して「幸せになりたい」と願うことを強調しているのだろうと勘違いしていた。
2番だと順序が逆転して「幸せになれても 幸せに慣れてしまうの」になっているところもまた面白くて好き。
*6:3番の「まさか僕ら 生まれたばかりなのに すぐに死んじゃうんだってさ」で「『ひびめし』」ってそんな作品だったっけ!?」となった。
*7:慣れてしまって気付けなくなった日常の幸せの尊さを、食べ物と絡めて歌うこの曲と、食べ物を絡めながら大学生活の日常の良さを描く「ひびめし」の組み合わせが良いよな~~~~!!!
*8:古館くれあ
*9:人間とは異なる種族。馬のような尻尾と耳、超人的な走力を持つ。
*10:オベイユアマスターのジャパンカップの辺りの話が特に好きだけれども、1期ではギリギリ範囲外だった。
白い稲妻篇を最後までやると思っていたので驚いた。
でも「今後未来永劫誰も『芦毛は走らない』とは言うまい」の語りで、オグリ達がまた一つ常識を覆したところで終わるのもまた良いよな~~~!!!
*11:最終回、「領域」の見開き「白い稲妻」がしっかり再現されていてとても好き
*12:最終回ラストが1話のオマージュで終わるの最高過ぎんか?????
*13:毎日王冠の回
*14:六平のチームに所属している3人のウマ娘の1人
*15:ヤチヨが宇宙から帰ってくる回。ヤチヨがグレる回。
*16:温和宇宙人と強面宇宙人が登場する回。温和宇宙人の死を隠蔽しようとする回。
*17:#7「初めてのアニメ化/漫画家集結!身延ウォーカー」、漫画ではアニメ最終話の後の方の話だったものが移動されてきているの、そこまでしてでもやりたかったんだろうな~って思った。……けど、これ入れないと微妙に足りないけど最終話はPOVホラー回にしたい、みたいな理由だったりするのだろうか。
エンディングで「登場したキャラクターの寝顔+その回の映像」が流れるはずが、春野しか寝顔が用意されていなかったため以降映像のみになっている部分が滅茶苦茶で面白くて好き。
*18:敷島桜子
*19:パワードスーツや人型ロボット兵器の一種
*20:ジークアクス/ガンダム・クァックス
*21:機動戦士ガンダム 水星の魔女
*22:シイコ・スガイ
*23:第六葉 巨乳と殺し屋のふたりぐらし
*24:第十葉 忍者と殺し屋の赤ちゃん